DESIGN – 5: Designing Media Ecology https://www.fivedme.org Wed, 17 Mar 2021 05:24:52 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.6.10 https://www.fivedme.org/wp/wp-content/uploads/2020/09/cropped-5dme-32x32.png DESIGN – 5: Designing Media Ecology https://www.fivedme.org 32 32 7号の表紙について https://www.fivedme.org/2017/06/25/7%e5%8f%b7%e3%81%ae%e8%a1%a8%e7%b4%99%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/ https://www.fivedme.org/2017/06/25/7%e5%8f%b7%e3%81%ae%e8%a1%a8%e7%b4%99%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/#respond Sat, 24 Jun 2017 22:06:35 +0000 https://www.fivedme.org/2017/06/25/7%e5%8f%b7%e3%81%ae%e8%a1%a8%e7%b4%99%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/ 2017年6月に刊行された『5』第7号、もうご覧いただけたでしょうか。

今回の特集タイトルは「What’s Your Next Move?/次の一手はなにか」。本誌編集委員の3人と国内外16人のさまざまな領域の方々が、現在の状況に対するそれぞれの「次の一手」を語っています。 

今日は、その第7号の表紙などに使った写真について、本誌のデザインを担当している宮田が制作過程をご紹介します。

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「次の一手」という言葉から連想されるのはチェスではないかということで、表紙には上のような写真を使いました。背景に「5」の字があり、その手前にチェスの駒が並んでいます。

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撮影の前に、まず構図をおおまかに決めておきます。表紙や特集扉ページに入る文字のスペースを確保しておくこと、チェスの駒にピントを合わせると存在感が出すぎてしまうので、少し手前に置いてぼかしたいことなどを、あらかじめ決めておきます。

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なんとなくこの方向で撮影できそうな気がしてきたので、チェス盤を購入。ポーランド製だという木製のチェス盤をネットで注文しました。届いたものをさっそく箱から出してみると、なかなかの重厚感があります。

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チェス盤は、駒のケースにもなっています。ひとつひとつきれいに並んで納められている様子は、なんとなく宝石箱のようで、手にとるのがもったいないくらいです。…が、いつまでも眺めているわけにもいかないので、ひとつつまみ上げてみると、適度な重みがあり、しっくりと手になじむ感触でした。駒の底面にはフェルトが貼られていて、盤面に置いたときにはコトンとやわらかい音がします。

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本番の撮影前のひと手間。背景に「5」の字を貼って、まずはイメージどおりの構図で撮影できそうかどうかを確認します。手前に置いた駒の大きさとボケかたを見て、背景の壁との距離を調節しながら、適度な配置をさぐります。

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次に用意したのは、ジェッソ、刷毛、水、紙やすり、パステル。ジェッソというのは、絵画でおもにアクリル絵具などと一緒に使う地塗り剤で、絵具の定着や発色の補助のために使うものです。マットな質感があるので、今回は白っぽい背景をつくるために使用しました。紙やすりとパステルは、白い背景を少し汚れた感じにするときに使います。

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板段ボールの上に「5」の形に切り抜いた紙を貼り、その上からジェッソを薄めに重ね塗りしていきます。

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まずは一重に塗り終わったところ。乾かしてから数回、重ね塗りしていきます。

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文字の茶色がどのくらい隠れるまで塗れば良いのか、様子を見ながら作業していき、背景を完成させました。

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こうして完成した背景を使って、撮影をはじめます。愛知淑徳大学で実習助手をしている村山季里子さんが手伝ってくれました。場所は、研究室がある建物の廊下の端っこです。こんな普通の場所ですが、三脚を立てて照明をつければ、立派な撮影場所に早変わり。

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チェスの駒を並べていきます。宮田は手前でカメラを構え、駒の配置を村山さんが担当しました。構図を確認しながら、「その…、白い馬のやつ…(ナイトのこと)を、もう少し右に」「その…、黒い丸いやつ…(ポーンのこと)を、少し奥に」など、素人丸出しな呼び方をしても、村山さんは動じないでちゃんと駒の位置を調整してくれます。白のクイーンを「しめじみたいなやつ」、黒のビショップを「木の胡椒入れみたいなやつ」と呼んでも、どの駒のことを言っているのか瞬時に理解してくれる村山さん。頼りになります。

「しめじ」(左)と、「胡椒入れ」(右)。

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ちなみに、村山さんの方からこちらを見ると…

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こんな様子です。撮影にめちゃくちゃ集中しています。

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端から見ると変な姿勢ですが、これでも真面目に撮影しているのです。寝そべっているあたりはちょうど隣の先生の研究室のドアの真ん前なのですが、撮影している途中でたまたまその先生が研究室から出てきて、だいぶ驚かせてしまいました…。失礼しました。

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チェスの盤面の上に駒を載せたカットも撮影します。最終的には、背景を白だけのものに替えて、特集扉ページに使用しました。

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チェスのルールを知らないので、実際にゲームの途中でこういう駒の配置になることがあり得るのかどうかも、よくわかりません。ネットでチェスのルールを調べて読んでみたものの、付け焼き刃すぎて、結局あっているのかどうかはよくわからないままでした。

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ずっと同じ姿勢で真剣に作業していたので、足がしびれている村山さん。

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最後に、セルフタイマーで記念撮影。今回、最初に思っていたとおりの写真を撮れたのは、村山さんの協力のおかげです。おつかれさまでした。そして、ドアの前で怪しい恰好で撮影をしていても嫌な顔もせずに場所を提供してくださった隣の研究室の吉田先生、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。

(おまけ)
p.047で使っているチェス盤の写真は、別日に撮ったものです。

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チェスの盤面に、上からプロジェクタで「5」の字を投影して撮影しています。

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このときは教室の蛍光灯の下で撮っていたので、盤面全体がなかなか均一な光の加減にならず、また駒の影がいろいろな方向に出て不自然になってしまうのを防ぐ必要もあり、試行錯誤が必要でした。

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蛍光灯の光がダイレクトに盤面に当たらないように、光を遮るための段ボールの板を背中で支えながら、プロジェクタの位置を調節する村山さん。真面目にやってるはずなのに、やはり変な恰好に見えてしまうところがなんとも…。

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そんなこんなで、長い道のりを経て、今号もようやく完成しました。今回は「What’s Your Next Move?/次の一手はなにか」という特集タイトルから連想してチェスの駒をモチーフに使いました。チェスのゲームは途中で降りることもできますが、われわれの人生は1回かぎり。だからこそ、みんなが真剣に「次の一手」を考えないといけないんですね。

ちなみに、撮影のために購入したチェス盤を無駄にしないように、あとでゆっくりルールを覚えて、今後はチェスを趣味にしようかななどと考えていたのですが、結局撮影のあとはずっと棚にしまいっぱなしになってしまっています…。

Masako Miyata / 宮田雅子

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6号の表紙について https://www.fivedme.org/2017/02/28/6%e5%8f%b7%e3%81%ae%e8%a1%a8%e7%b4%99%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/ https://www.fivedme.org/2017/02/28/6%e5%8f%b7%e3%81%ae%e8%a1%a8%e7%b4%99%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/#respond Tue, 28 Feb 2017 05:42:19 +0000 https://www.fivedme.org/2017/02/28/6%e5%8f%b7%e3%81%ae%e8%a1%a8%e7%b4%99%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/ 『5』第6号の発売から、あっという間に2カ月半が過ぎてしまいました。もうお手にとってご覧いただけたでしょうか。

今日は、6号の表紙について少しご紹介します。

今回の特集テーマは「The Anthropocene and Our Post-natural Future/アンスロポセンの光と影:人間と自然の未来」。アンスロポセンとは、人間が地球環境に大きな影響を与えるようになった時代を新しい地質年代として区分する用語です。そこから連想して、今号の表紙には、古い地層の中からなにかが発掘されるようなイメージの写真を使いたいと考えました。

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上の写真は、表紙に使ったものです。目の粗い岩の表面に、白く「5」の文字が浮かびあがっています。

どうやって「5」の文字を岩の表面に浮かびあがらせるのかというと、その方法はとても単純です。「5」の形の型紙の上から霧吹きで水を吹きかけて、水がかかった周囲の色が黒っぽくなるようにしただけです。

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表紙の写真とは異なる場所ですが、こんなふうに石の上に水を吹きかけたものを撮影しています。

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型紙は、普通のコピー用紙の上に白いガムテープを貼って防水し、それを「5」の形に切り抜いてつくりました。防水といっても土台はただの紙なので、あまり何回も水をかけるとふやけてしまうのではないかと心配しましたが、やってみたらガムテープは案外頑丈だということがわかりました。

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2016年8月の暑い盛り、編集室の宮田・松井・田中の3人がこの型紙と霧吹き、カメラを持って、撮影にちょうど良さそうな石や岩がある場所を探しに出かけました。

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良さそうな雰囲気の石を見かけたら、すかさず型紙を置いて水を吹きかけてみます。少し水をかけるだけで色が劇的に変わる石もあれば、いくら水をかけても思うようにくっきりと色の差が出ない石もあり、どういう石が適しているのかをつかむのはなかなか難しいです。また、湿度の高い日だったので、一度水をかけてしまうとなかなか乾かず、やり直しはすぐにはできません。でも、慎重に試していくうちに、だんだんコツをつかめてきました。

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苔が生えたコンクリートの表面の質感も魅力的に思えましたが、写真を撮ってみたら、やっぱりコンクリートはコンクリートでした。しかも自分の手の影が写っているという凡ミス。

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当初の地層のイメージを逸脱して、なぜか木の切り株でも試してみたり。

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木の切り株はけっこういい雰囲気だと思ったのですが、やはり「何万年も前の地層から発掘された!」感が出ないので、お蔵入りになりました。残念。

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いい岩を探して歩きまわり、蚊に刺されまくっているうちに、だんだん何を撮りたいのかよくわからなくなってきて、石を見たら片っ端から水を吹きかけていくようになりました。その結果、我々3人が通ったあとには怪しい「5」の石碑のようなものがたくさんできてしまいました…。でも大丈夫、水なのでそのうち乾きます。

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という試行錯誤を経て、今回も無事に表紙の写真ができあがりました。紙の本はいつか朽ち果ててしまいますが、そういうものを一生懸命つくるのも悪くないのではないかと感じます。今回撮影した石のうちのいくつかは1万年くらい後にも地層に埋もれてまだ存在しているかもしれませんが、本の方は跡形もないんだろうなと思うと、自分たちがつくっているものは一体なんなのか、不思議な気がしてきてしまいます。

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Masako Miyata / 宮田雅子

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4号の表紙について https://www.fivedme.org/2016/02/14/4%e5%8f%b7%e3%81%ae%e8%a1%a8%e7%b4%99%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/ https://www.fivedme.org/2016/02/14/4%e5%8f%b7%e3%81%ae%e8%a1%a8%e7%b4%99%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/#respond Sun, 14 Feb 2016 06:08:40 +0000 https://www.fivedme.org/2016/02/14/4%e5%8f%b7%e3%81%ae%e8%a1%a8%e7%b4%99%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/ 2015年12月発行の『5』第4号、もうお手にとっていただけたでしょうか。
今日は、この第4号の表紙の写真をどうやって撮ったのかをご紹介します。

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上の写真が、第4号の表紙に使った写真です。夕暮れの海の上空に、「5」の文字が浮かんで見えています。これは Photoshop で合成したものではなく、「5」の文字をプリントした透明なフィルムをカメラの前に配して、向こうの景色と重ねて撮影したものです。

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第3号までの表紙では、表紙の中央に雑誌タイトルである「5」の文字を大きく配置した画像を使ってきたので、今号でも中央に「5」の文字の配置することは変えずにいこうと決めていました。同時に、第4号の特集テーマが「デザインと社会」なので、人びとの日常の営みを感じられるような風景写真を使えないだろうか、とも思っていました。風景写真の中にどうしたら「5」の文字を入れることができるのか…と考えていて、そうだ透明フィルムと重ねて撮影すればよいのでは、と思いつきました。「5」の輪郭はあまりくっきりさせず、空気の粒子が集まってかたちを成しているようなイメージにしたいと思い、網点で「5」を表現することにしました。さっそく、網点の密度を変えたり図と地を反転させたりした何パターンかの「5」の模様のフィルムを作成しました。

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最初の実験は、窓にフィルムを貼りつけて何枚か撮影するところからはじめました。見えにくいですが、下の写真では、中央の窓に「5」のフィルムを貼ってあります。

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そうして最初に撮ったものが、上の写真です。ドットが大きすぎて、網点というより水玉模様になってしまいました…。なんだかいまひとつ。

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網点をC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)の掛けあわせにして、ちょっと小さめにしてみたもの。さっきより空が晴れてきました。フィルムを出力して窓に貼って撮影…、とやっている間に、雲のかたちがどんどん変わっていきます。撮影のたびにデスクにのぼったり降りたりしたせいで、膝が痛くなってきました。

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夕焼け空の方が良いかもしれないと思い、西向きの窓からも撮影してみました。時間を空けて数回、エレベータホールの窓枠によじ登って撮影したところ、膝だけでなく腰も痛くなってきましたが、そんなヨボヨボの様子はさいわい誰にも見つからずに済みました。人通りが少なくてよかった…。

この作業をしていたのは2015年8月で、連日よい天気だったのですが、日を変えて何枚か試し撮りをしているうちに、なんとなくもう少し感傷的な雰囲気のある場所で撮りたいと思いはじめました。「デザインと社会」という特集テーマには、あまり晴れやかで清々しい風景よりも、少し重さや暗さの中に人の気配を感じるような場所の方が合っているような気がしてきたからです。翌月にフィンランドに行く予定があったので、ちょうど寒くなりはじめるヘルシンキで撮影の続きをすることにしました。

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2015年9月。ヘルシンキのホテルに到着し、持参したフィルムを開梱したところ。スーツケースに入れて運ぶ間にフィルムに埃や傷がつかないように、持ち運び用のケースもつくりました。ガムテープと引っ越し紐で、今見るとずいぶんみすぼらしい見た目です…。

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さっそく撮影に繰り出しました。そもそもこのとき滞在目的は、フィンランドでワークショップをすることだったのですが、そのワークショップのためのメンバーも撮影に巻き込むはめになりました。一緒に写っているのは、ワークショップのために渡航された田中克明さんと真鍋陸太郎さん(田中さんは『5』編集室メンバーでもあります)。そしてこの珍妙な撮影の様子を撮っているのは、ちょうど今年度ヘルシンキに滞在されている関西大学の岡田朋之さんです。

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「5」のフィルムを持ってくださる岡田さん。岡田さんにはこの後、ワークショップも手伝っていただき、さらに手料理までごちそうしていただき、滞在中にたいへんお世話になりました。

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その場では気づきませんでしたが、通りすがりの人の注目も集めていたようです。そりゃ道ばたにこんな姿勢の人がいたら気になりますよね。集中しすぎて変な顔になってるし。

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撮影しながら道なりに進んでいくと、海が見える場所につきました。表紙に使った写真は、このときここで撮影したものです。水平線の先には、世界遺産のスオメンリンナ島があります。スウェーデンの要塞として開拓され、その後ロシアに占領され、ロシアからフィンランドが独立した翌年にスオメンリンナ(スオミ=フィンランド、の要塞)という名称になったという群島ですが、今ではピクニックの名所としても親しまれているのだそうです。最初にそう聞いたときには、要塞とピクニックという言葉のギャップにドキッとしましたが、歴史と生活がひとつの場所に同居することは、ここにかぎらずどこにでもあるのかもしれません。去っていくフェリーは、スオメンリンナ行きのものなのでしょうか。こんな肌寒い夕暮れに島に向かうフェリーは、いったい人びとのどんな思いを乗せて進んでいくのか、想像がふくらみます。

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こうして、第4号の表紙ができあがりました。完成してみると最初からこのイメージだったような気がしてしまうのですが、つくっている最中はまだなにも見えておらず、偶然や思いつきで進めていったらたまたまこのかたちになっただけのようにも感じます。とりあえず、こんな顛末も含めて『5』を楽しんでいただけたら幸いです。

Masako Miyata / 宮田雅子

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https://www.fivedme.org/2016/02/14/4%e5%8f%b7%e3%81%ae%e8%a1%a8%e7%b4%99%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/feed/ 0
3号の表紙について https://www.fivedme.org/2015/08/17/3%e5%8f%b7%e3%81%ae%e8%a1%a8%e7%b4%99%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/ https://www.fivedme.org/2015/08/17/3%e5%8f%b7%e3%81%ae%e8%a1%a8%e7%b4%99%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/#respond Mon, 17 Aug 2015 04:11:37 +0000 https://www.fivedme.org/2015/08/17/3%e5%8f%b7%e3%81%ae%e8%a1%a8%e7%b4%99%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/ image

『5』の表紙の画像はどうやってつくっているのか?と尋ねられることがたまにあります。第3号(2015年6月発行)の表紙では、苔の生えた地面に「5」の文字が重なっている写真を使いました。Photoshopで合成したようにも見えますが、実際は、モバイルプロジェクタで地面に「5」の画像を投影しながら写真を撮影するという、ベタな手段を使っています。

撮影日は、2015年2月19日。編集室の松井貴子さんと二人で撮影に臨みました。松井さんがプロジェクタを持ち、宮田がカメラを持ち、「5」の文字を壁だの地面だのに投影しながら東京大学本郷キャンパス内を練り歩き、約600点の写真を撮りました。表紙に使用した苔の地面の写真は、三四郎池の周辺で撮ったものです。

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三四郎池の周辺には木や草が多く、絵になる場所がたくさんあります。

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もしこの写真を表紙に使っていたら、第3号はもっと南国風のイメージになっていたかもしれません。

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こういうモコモコした質感の苔も良い感じです。実際、この写真を表紙に使おうかどうか、最後まで迷いました。が、特集のテーマを考えると、人工的なものと自然に朽ちていくものが一緒になって落ちている地面の方が良いと思い、この写真は残念ながら却下しました。

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うっかりしていると、自分たちの足も写ってしまいます。

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ハトの背中に「5」の文字を投影できたらおもしろいのでは!と思いついてがんばりましたが…

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逃げられてしまいました。

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ハトがダメなら、水に映る「5」の文字もいいのでは!と思いついて撮影しようとしましたが、画角的にどうしてもプロジェクタを持っている松井さんの手が写ってしまったり、

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凹凸の大きすぎる場所に投影すると、「5」の文字には見えなかったり。

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こういう場所も、「5」の文字が崩れてしまう…。

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という試行錯誤を重ねたうえで、無事に冒頭の写真が撮れたのでした。撮影中、興味深げにしばらく見ていてくださった方もいましたし、「あの人たちなにやってるんだろう…」「でも真剣そうだから声かけちゃ悪いよ…」というささやきだけ残して通り過ぎていった方もいらっしゃいました。その節は、怪しい二人組が構内をウロウロしていてご迷惑をおかけしました。じつはこんなことをしていたのでした。

Masako Miyata / 宮田雅子

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